失敗しない税理士の探し方と選び方の秘訣

顧問税理士は、決算や申告を任せるだけの相手ではありません。

資金繰りの不安、税負担の見通し、経理体制の整備など、経営の「数字」に関わる相談役として、事業の意思決定を左右する存在です。

 

ところが探し方を誤ると、対応範囲が狭かったり、連絡が遅くて期限対応に追われたりと、ストレスが積み上がるとも限りません。

 

本記事では、顧問税理士の探し方および失敗しない選び方について解説します。

あわせて税理士事務所の代表的な3つタイプについても紹介します。

顧問税理士を選ぶのに不安を感じる経営者の方はぜひ参考にしてください。

 

顧問税理士の探し方6選

顧問税理士は、申告や決算を任せるだけでなく、日々の数字の見方や資金繰り、税負担の見通しまで支えてくれる経営の伴走者になり得る存在です。そのため、顧問税理士選びは失敗したくはありません。

 

以下では、顧問税理士の選び方を6点紹介します。

 

  • インターネット検索で探す
  • 知人の紹介を受ける
  • 税理士紹介サービスを利用する
  • 税理士会や商工会議所に相談する
  • 金融機関に紹介を受ける
  • 税理士事務所が行うセミナーに参加する

 

インターネット検索で探す

手軽な税理士の探し方として、インターネット検索をすることがあります。

 

Web検索で「税理士 地域名」「顧問税理士 業種」など複数の軸で候補を抽出し、税理士事務所サイトの「得意分野」「料金の考え方」「対応範囲(記帳代行・申告・融資支援など)」が確認できます。

 

インターネット検索はすばやく検索でき、実績や得意ジャンルがつかめます。反面、レスポンスの早さやコミュニケーションなど、すべての税理士情報がつかめるとも限りません。

検索した税理士事務所に訪問したり電話をかけたりすることで、実際の感覚で選択することも大切です。

 

知人の紹介を受ける

同業者や経営者仲間から税理士を紹介してもらうのも、顧問税理士を探す有効な方法の一つです。

実際のやり取り(連絡頻度、提案力、料金感など)を事前に聞けるため、候補を絞り込む際の重要な判断材料になります。

とくに同業者からの紹介であれば、業界特有の慣行などに明るい可能性が高く、自社にとっても参考になりやすいでしょう。

 

ただし、紹介された税理士が必ずしも自社に合うとは限りません。あくまで「紹介者にとって相性の良い税理士」である点を踏まえ、対応範囲や料金体系、コミュニケーションの取りやすさなどを面談で確認したうえで、慎重に検討することが大切です。

 

税理士紹介サービスを利用する

税理士紹介サービスを利用することも、税理士探しには有効です。

自社の要望(業種・売上規模・オンライン可否・節税/融資など)を伝えると、候補を絞って提案してくれるため、比較検討が効率的に行えます。

 

一方で税理士すべてを紹介してくれるわけではない点に注意が必要です。

紹介してくれる税理士は、紹介サービスに登録している税理士のみです。場合によっては、自社にマッチする税理士に出会えるとは限らない点も押さえておきましょう。

 

税理士会や商工会議所に相談する

税理士会や商工会議所(商工会)に相談することでも、税理士を探すことが可能です。

無料で相談できるため、初めて相談する場合でも安心して紹介が受けられます。

 

しかし、良い税理士が見つかったからといって、必ずしも顧問契約に結びつくとは限りません。費用面や税理士が希望する業種・業務等、折り合わないと、顧問契約に至らない恐れがある点にも注意しましょう。

 

金融機関に紹介を受ける

融資取引のある金融機関から税理士を紹介してもらうのも、税理士探しにおいて有効な選択肢です。

金融機関が紹介する税理士は、融資や資金繰りの相談に慣れているケースが多く、資金面に不安のある企業・経営者にとっては心強いパートナーになるでしょう。

 

ただし、紹介されたからといって必ずしも自社に最適とは限りません。

顧問料や追加費用の考え方が合わない、支援範囲が自社のニーズとずれるといったこともあります。金融機関経由の紹介であっても、慎重に選定することが大切です。

 

税理士事務所が行うセミナーに参加する

税理士事務所のセミナーに参加することも、税理士選び方として有益な方法です。

セミナーでは、税理士の得意な分野や人となりが確認でき、参加することで、自社にマッチした税理士であるのかについても確認できます。

 

一方で、他の税理士との比較ができないため、セミナーに参加して顧問税理士を検討する場合、複数のセミナーに参加することは必須となるでしょう。

 

税理士事務所にある3つのタイプとは

税理士事務所を探す際に押さえておきたいのが、税理士事務所には大きく分けて3つのタイプがあるという点です。

タイプによって、提供されるサービスの範囲や強み、費用感が異なるため、違いを理解しておくとミスマッチを防ぎやすくなります。

 

以下では、「低価格型」「付加価値型」「特化型」の3タイプについて、それぞれの特徴を解説します。

 

低価格型

低価格型は、提供サービスの範囲を絞る代わりに、顧問料を安く設定している税理士事務所です。

会計ソフトへの入力代行、各種税金の申告、メール・電話での税務相談など必要最低限の業務に対応し、顧問先への訪問は極力抑える傾向があります。

 

規模が小さい企業や、事業の変化が少ない場合は十分であるかもしれません。

しかし、安さだけで決めると期待した支援が受けられない恐れもあります。そのため、契約前に対応範囲を確認しておくことが重要です。

 

付加価値型

付加価値型は、税務だけでなく、企業の外部CFOのような立場で幅広い相談に乗る税理士事務所です。定期面談を通じて経営リスクを洗い出し、資金繰りの相談や節税提案など、経営に踏み込んだサポートを行うのが特徴です。

 

規模が大きい事務所は「デパート型」と呼ばれることもあります。税負担や資金ショートのリスクが高まりやすい企業ほど相性が良い一方、顧問料は高めになりがちです。

対価とサービス内容が見合うか、事前に丁寧に確認する必要があるでしょう。

 

特化型

特化型は、特定の業界・業種に絞ってノウハウや経験を蓄積している税理士事務所です。

 

税理士全体に占める割合は多くないものの、近年は「相続専門」「医療専門」「不動産専門」「飲食専門」など、分野別の特化型が増えています。

業界特有の慣習や税務処理を理解しているため、より専門性の高い助言を求める企業に向いています。

 

ただし、集客目的で専門を掲げているだけのケースもあり得るため、実績・評判の確認や事前の問い合わせで裏取りをしておくと安心です。

 

顧問税理士選びに失敗しない6つのポイント

これまで、顧問税理士の探し方および税理士のタイプについて解説しました。

 

では、自社に見合った顧問税理士を選ぶためには、どのような点に注意すれば失敗しないのでしょうか。

失敗しないポイントを6点、以下で解説しますので、参考にしてください。

 

  • 自社の業界・業種の知見があるか
  • 税理士実績や経験が豊富であるか
  • 報酬は適切な料金体系であるのか
  • レスポンスが早いか
  • コミュニケーションが取りやすいか
  • 親身に相談に乗ってくれるか

 

自社の業界・業種の知見があるか

税理士選びでまず確認したいのは、自社と近い業界・業種の知見があるかどうかです。

業種によっては、売上計上のタイミングや原価管理、在庫・外注費の扱い、許認可や補助金の実務などが異なります。

 

面談では、過去の支援事例や、業界特有の注意点を具体的に説明できるかを確かめると、ミスマッチを防げるでしょう。

 

税理士実績や経験が豊富であるか

実績や経験が豊富であると、安心して顧問契約が結べます。

ただし、年数だけで判断せず、担当者の専門領域と対応範囲で見極めることが大事です。

 

例えば、記帳・申告に強いのか、税務調査対応や資金繰り支援まで踏み込めるのかで、提供価値が変わります。

 

当然のことですが、税理士として正式に登録されているかの確認も基本です。日本税理士連合会の検索ページで、主要取扱業務や主要取扱業種などを確認しておくと、安心して税理士選びができるでしょう。

 

報酬は適切な料金体系であるのか

顧問報酬が適切であるのかも、顧問税理士を選ぶポイントです。

通常、月額顧問料に含まれる業務と別に、決算申告や税務調査等が別途設定されている場合があります。また、訪問頻度や会社の規模によっても費用は変わります。

 

後々費用面でトラブルにならないよう、事前に毎月の顧問料に含まれている業務やそうでない業務を確認しておくことが大切です。

 

レスポンスが早いか

税務は期限が多く、意思決定が遅れるほど損失につながりやすい領域です。そのためレスポンスの速さは重要なポイントになります。

 

初回問い合わせや面談調整の段階で、返信までの時間や回答の具体性、代替案の提示有無を確認しておくと、契約後のストレスが減ります。

 

あわせて、連絡手段(メール・チャット・オンライン面談など)と、緊急時の対応ルールも事前に取り決めると安心です。

 

コミュニケーションが取りやすいか

税理士との相性、とりわけコミュニケーションが取りやすいかどうかは極めて重要な選択ポイントです。

 

専門用語を並べるだけでの説明では、理解が覚束なく、やがてストレスへと変わっていきかねません。

 

結論や理由、次のアクションを順に整理して話してくれるか、こちらの理解度にあわせて補足してくれるかをチェックしましょう。

 

親身に相談に乗ってくれるか

親身に相談に乗ってくれることも、顧問税理士選びには欠かせません。

 

自社の悩みに対し、現状の課題を丁寧にヒアリングし、数字(試算表・資金繰り・納税見込み)に落として説明してくれるか、リスクも含めて正直に伝えてくれているのかといった点が目安になります。

 

加えて、税務だけでなく経営全体の改善提案まで視野に入れてくれる税理士は、長期的に心強い存在になりやすいでしょう。

 

まとめ

顧問税理士の探し方には、インターネットでの検索や夜知人からの紹介等、主に6つの方法があります。顧問税理士を探すにあたっては、1つの方法だけでなく、さまざまな方法を使って目星をつけることが大切です。

 

また、税理士事務所には「低価格型」「付加価値型」「特化型」の3タイプに分けられます。自社の事業規模や税理士に求める支援に照らしあわせて、どのタイプの税理士事務所が適切であるのかを検討しておくことが重要です。

 

顧問税理士を選ぶにあたっては、自社の業種・業界に精通しているのか、コミュニケーションが取りやすいのかどうかなど、さまざまなファクターを検討しなければなりません。

 

顧問税理士を選ぶことは、経営の意思決定を支える心強いパートナーを決めることを意味します。本記事を参考に、後悔しない顧問税理士選びを行ってください。