会社設立に必要な費用とは?基本知識や株式会社と合同会社の設立費用比較を紹介

会社設立を検討している方は、どのくらい費用がかかるのかが気になるのではないでしょうか。会社設立手続きにかかる費用は「法定費用」「資本金」「その他の費用」が必要となります。

本記事では、会社設立に必要な費用の基本知識や、株式会社と合同会社の設立費用比較、会社設立後に発生する費用、会社設立費用削減のポイントと注意点を紹介します。上記を把握すると、最小限の費用で会社設立を行うことが可能となりやすいので、ぜひ参考にしてください。

 

1. 会社設立に必要な費用の基本知識
会社設立に必要な費用の基本知識

会社設立に必要な費用の基本知識を紹介します。

1. 設立手続きにかかる費用の詳細解説
2. 法人登記と電子定款の取得の手数料について
3. 内容証明書や謄本の発行に必要な費用

以下より、詳しく解説しますので見ていきましょう。

1-1. 設立手続きにかかる費用の詳細解説

会社設立手続きにかかる費用は、大きくわけると以下のとおりです。

 

● 法定費用
● 資本金
● その他の費用

 

法定費用は、会社を設立する際に法務局・公証役場といった役所に支払う費用を指します。資本金とは、会社の元手となる返済義務がない資金です。

 

その他の費用は、以下が挙げられます。

 

● 実印の作成代:会社の実印を作成するための費用
● 印鑑証明書代:会社設立時に必要な個人の印鑑証明を取得するための費用
● 登記事項証明書(登記簿謄本)発行費:新しい会社の登記簿謄本を発行するための費用

 

登記事項証明書(登記簿謄本)発行費は、契約締結・法人の銀行口座開設の際に、複数枚必要になることがありますので注意しましょう。

 

1-2. 法人登記と電子定款の取得の手数料について

法人登記の手数料は、株式会社であれば約15万円ほどから必要で、合同会社は約6万円ほどからとなります。
電子定款の取得の手数料は、定款の認証手数料と定款用の収入印紙代があり、詳細は以下のとおりです。

電子定款の取得の手数料

つまり、電子定款の取得の手数料は、定款用の収入印紙代では株式会社・合同会社ともに0円となります。
定款とは、会社設立時に発起人全員の合意のもとで定める、企業の根本原則が記載された書類であり、会社を設立する際に必要な書類です。 定款には、会社の名前(商号)・事業内容・住所など、会社の基本情報と会社の指針となるさまざまな規則を記載します。

 

1-3. 内容証明書や謄本の発行に必要な費用

内容証明書や謄本の発行に必要な費用は、以下のとおりです。

 

● 印鑑証明書代(約300円×枚数):300円~
● 登記事項証明書(登記簿謄本)発行費(約500円×枚数):約500円ほど~

 

内容証明書や謄本の発行は、株式会社・合同会社ともに費用は同様となります。

 

2. 株式会社と合同会社の設立費用比較
株式会社と合同会社の設立費用比較

株式会社と合同会社の設立費用比較を紹介します。

 

1. 株式会社と合同会社設立にかかる費用の詳細
2. 資本金の違いが与える影響

 

以下より、詳細を解説しますので参考にしてください。

 

2-1. 株式会社と合同会社設立にかかる費用の詳細

株式会社と合同会社の設立には、以下の法定費用が必要となります。

 

● 定款用収入印紙代
● 定款認証費用
● 謄本手数料
● 登録免許税

 

また、株式会社と合同会社設立にかかる法定費用の詳細は、以下のとおりです。

株式会社と合同会社設立にかかる法定費用

定款・法人登記において、株式会社のほうが会社設立に必要な費用は高額になるため、合計で10万円以上の違いがでることがあります。

 

また資本金においては、1円以上で会社を法人として設立できます。その他には以下の費用が必要です。

 

● 実印の作成代:約3,000円ほど~
● 印鑑証明書代(約300円×枚数):300円~
● 登記事項証明書(登記簿謄本)発行費(約500円×枚数):約500円ほど~

 

ただし、印鑑証明書については発行場所・申請方法によって異なるので、自治体のホームページ・窓口で確認しましょう。

 

2-2. 資本金の違いが与える影響

資本金の違いが与える影響は、会社の信用と会社が事業を進めていくための運用費に関係します。資本金の額は会社の信用を測られることが多く、会社設立後の間もなくは利益が出づらい状況であるためです。

 

以前は株式会社・合同会社ともに、一定以上の資本金額の準備が法律で定められていましたが、現在の会社法で規定はなくなりました。よって、資本金1円であっても会社を設立できますが「会社の信用を得る」「万が一の事態に備える」といった理由から、ある程度の金額を確保しておくとよいでしょう。

 

3. 会社設立後に発生する費用について
会社設立後に発生する費用について

会社設立後に発生する費用について紹介します。

 

1. 会計事務所や税理士への報酬相場
2. 司法書士や公証人への必要費用
3. 事業運営に必要な保険や税金の概要

 

以下より、詳しく解説します。

 

3-1. 会計事務所や税理士への報酬相場

会計事務所や税理士への報酬相場は、会社の事業内容・規模によって異なりますが、年間約30万〜約50万円ほどです。会計処理・税務は複雑なので、会計事務所や税理士と顧問契約を結び、専門家に任せたほうが安心できます。

 

3-2. 司法書士や公証人への必要費用

会社設立の手続きを司法書士に依頼する際の費用相場は、5万〜20万円ほどです。さらに交通費・郵送費を別途支払う必要のある司法書士事務所があります。

 

また会社設立の登記申請は、司法書士の独占業務であり、申請に必要な書類(定款)作成・認証と、法務局での登記申請を代行できるのは司法書士となります。会社設立には定款認証と登録免許税がかかり、司法書士の報酬が加わりますが、報酬額は司法書士が自由に定められます。

 

3-3. 事業運営に必要な保険や税金の概要

事業運営に必要な保険や税金は以下のとおりです。

 

● 社会保険料
● 税金(住民税均等割)

 

社会保険は、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険などを指し、会社運営において社会保険への加入は必須となります。社会保険料は、従業員と会社が折半して支払い、会社の負担額は従業員に支払う給料の15%ほどです。

 

税金は、会社運営していると必ず生じます。利益がある場合、利益額に応じて法人税・住民税が発生し、赤字であっても住民税均等割がかかります。

 

住民税均等割は会社形態による違いはなく、資本金1千万円以下では7万円、資本金が1千万円を超える際は18万円です。

 

4. 会社設立費用削減のポイントと注意点
会社設立費用削減のポイントと注意点

会社設立費用削減のポイントと注意点を3つ紹介します。

 

1. 税額控除や助成金活用で費用を抑える方法
2. オンラインサービスで設立費用を節約する方法
3. 無料で利用できる会社設立サポートサービスの紹介

 

詳細は以下のとおりです。

 

4-1. 税額控除や助成金活用で費用を抑える方法

会社設立を行うことで、以下の税額控除が受けられます。

 

● 役員報酬で節税
● 所得を家族と分散して節税
● 退職金を支給することで節税
● 欠損金を長く繰越控除できる
● 保険を活用することで節税
● 消費税の納税義務免除の適用を受けられる

 

ただし、会社設立で節税効果を感じる分かれ目は、一般的に個人事業主の課税所得が 330万円を超える場合となります。

 

また、会社設立時に活用できる助成金・補助金は以下のとおりです。

 

● 民間団体・企業からの助成金・補助金
● 地方自治体からの補助金
● 経済産業省からの補助金
● 厚生労働省からの助成金

 

助成金・補助金の入金は原則後払いとなるため、自己資金の確保をしっかり行う必要がありますので注意しましょう。

 

4-2. オンラインサービスで設立費用を節約する方法

オンライン申請であれば、電子定款は紙の定款に必要な収入印紙代4万円がかからないため、設立費用を削減できます。また、登記申請時に必要な登録免許税も電子納付できて、インターネットバンキングで納付可能です。

 

書面申請の場合、受付時間内(平日8時30分から17時15分まで)に、法務局の窓口に直接出向く必要がありますが、オンライン申請であれば出向く時間・交通費などを省け、設立準備に注力しやすいでしょう。

 

4-3. 無料で利用できる会社設立サポートサービスの紹介

無料で利用できる会社設立サポートサービスを3つ紹介します。電子定款の作成代行を依頼する場合には、費用が発生しますのであわせて解説します。

 

マネーフォワードクラウド会社設立
Freee会社設立
会社設立ひとりでできるもん

 

マネーフォワードクラウド会社設立の利用料金総額は、5,500円(税込)で内訳は以下のとおりです。

 

● サービス利用料:0円
● 電子定款代行:5,500円(税込)
※マネーフォワードクラウドの有料プラン(スモールビジネスプラン・ビジネスプラン)に登録する場合は、電子定款代行費用の5,500円も無料

 

Freee会社設立は、5,500円(税込)の利用料金総額であり、以下の内訳となります。

 

● サービス利用料:0円
● 電子定款代行:5,500円(税込)
※Freeの会計ソフトを年間契約すると、電子定款代行5,500円も無料

 

会社設立ひとりでできるもんの利用料金は会社形態で異なり、以下のとおりです。

 

【株式会社】
● システム利用料:3,850円(キャンペーン利用時)
● 電子定款代行手数料:5,000円

 

【合同会社】
● システム利用料:2,200円(キャンペーン利用時)
● 電子定款代行手数料:3,000円

 

 

5. まとめ:会社設立費用を把握し効率的に進める

会社設立を検討している方向けに、会社設立に必要な費用の基本知識や、株式会社と合同会社の設立費用比較、会社設立後に発生する費用、会社設立費用削減のポイントと注意点を解説しました。

 

会社設立には株式会社と合同会社で費用が異なります。また、設立後の会計処理・税務は複雑であり、設立前から専門家に任せたほうが経営に注力できるため、会計事務所への相談を検討してみてはいかがでしょうか。